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ダブリンへの帰還 ブログアフィリエイト番外編 アイルランドの旅 #25

 
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大樹旅は終わりに近づき、飛行機の出発する日をまつのみ。ダブリンに戻り、気軽な日々を過ごす。

3月2~3日
 Doolinでの別れの後、僕はレンタカーを返しにダブリンに向かった。

 車の中で泣いてばかりいた。

 色んな感情が混ざった涙。

 出会った友達や、昔の出来事を思い出しては、泣いていた。

 今までずっとあった胸の中の氷を溶かす涙。

 胸の傷から、虹色のしずくのような、線香花火の火花のような光が

 つらつらと溢れては、胸の痛みは急速に癒されていった。

 そんな自分を見ているもう一人の自分が

 「おまえ人間らしくなったなぁ。」

 と言った。

 「まったくだね。」

 僕は答えた。

 「おめでとう。」

 空が言った。

 「ありがとう。」

 僕は答えた。

 *****

 ダブリンに着き、レンタカーを返した。

 Country Car Rentalというところで借りたのだが、

 そこのおじさんが、

 「この車はいい車だろう?

  どんな旅をしてきた?」

 と聞いた。

 「Doolin、というところにってきたんだ。」

 「なに、Doolin? あそこはいいところだ。」

 Lovely placeと言った。

 よく、Lovelyと聞く。

 誰かが歌った後、日本から来たと言った時、アイリッシュ音楽が好きだと言った時、

 Lovelyって言われる。

 きっと、凄いとか、素敵、っていう意味なんだと思う。

 「みんなと一緒にギターを演奏したんだ。

  信じられない程、素敵な時間だった。

  友達がたくさんできたよ。」

 「すげぇじゃねぇか。そうか。それはよかった。

  一番いいやつを貸したかいがあるってもんだ。」

 そんな会話をだらだらとした。

 なんか、暖かかった。

 まるで、僕を待ちわびていたように、顔をみた瞬間に、「よう」って言ってくれた。

 いちいち、胸に染みた。

 やがて、バスでグローバルトロッターズユースホステルに戻った。

 受付で今日の予約が最後になると言った。

 ここのホステルは人気が高くて、予約が殺到しており、

 今は1人1年あたり1週間までという制約をしているとのこと。

 しかし、どういう仕組みかよくわからないが、

 結局、あと3日、いさせてくれることになった。

 何度か理由を聞き返したのだが、

 しゃべってる言葉が速すぎて、よく聞き取れず、

 忙しいみたいで、ちょっと怖かったので

 3日で、とお願いした。

 アイリッシュの女の人はときに妙にきつく感じる。

 やたらとせっかちなのだ。

 チっと平気で舌打ちとかする。

 習慣のようなもので、悪気はないのだが、

 臆病者の僕は、いちいち、この舌打ちにおどおどしてしまう。

 なんであれ、泊まるところは確保した。

 そして、久しぶりに見たインターネットで、

 日記のアップやら、メールのやりとりなどをすませた。

 ふと、日本人にあった。

 僕のベッドの下いたこの人は面白い人だった。

 6月に上海を出発し、ユーラシアを渡ってたびを続け、

 やっとアイルランドに辿り着いたとのこと。

 3月6日に、家に帰るとのこと。

 面白かった。

 僕のいとこに微妙に似ていて、親近感がもてた。

 名前が思い出せない。聞いたのだが、忘れてしまった。

 名前を覚えるのは苦手だ。

 夜にパブで音楽を一緒に聞きにいったり、

 翌日、バスで国立植物園にいったりした。

 国立植物園では花があった。

 

 

 今まで花をじっくり見たことがなかった。

 なんていうか、花って色っぽい。

 庭園を歩いていたら、

 鳥が近くまで来た。

 ここの鳥は人を怖がらない。

 

 また、更に歩いているとリスが現れた。

 

 何か、話がある、とでもいいたそうないでたちだった。

 リスは僕のほうに少しづつよってきて

 僕のまわりをくるくるまわったり

 

 いったりきたりして

 

 それから、木のかげに消えて行った。

 

 なにがいいたかったのか。

 僕には、何かの兆候のように感じた。

 楽しいことがある。びっくりするようなことがある。

 *****

 バックパックの彼は、あまり語らなかった。

 9か月間何を思い、何を感じてきたのか。

 僕もあまり聞かなかった。

 でも、なんとなく分かった。

 *****

 旅の予算が思っていたより、少なくなっていたことに気づいた。

 レートが、旅を始めた時より10円近く上がっており、

 計算が合わなくなっていた。

 あと1日あたり、ホテル代ぬかして10ユーロで過ごさないと無理だということが分かった。

 1食10ユーロのレストランなんかいっていられない。

 自炊だ。

 その夜、刺身を食おうということで、

 近所でサーモンを買ってきた。

 米を鍋で煮て炊きあげる。

 米を鍋で炊く方法は知っておくと大変に役にたつ。

 「おずの3分クッキング」

 1.コップなどで分量をはかりつつ、米を容器にいれます。

 2.米を洗います。

 3.鍋にいれます。

 4.米と同じ量の水をいれます。

 5.中火で炊きます。

 6.水がなくなってすこし鍋にこびりつきはじめたら火をとめます。

 7.蒸して、出来あがり。

 わさび醤油と、鮭の刺身と、白いご飯。

 「うめぇ、これ、やばいっすよ。」

 と彼は言った。

 「やべぇ、泣きそう。」

 とか言っていた。

 僕も

 「こーれーは、やばい!まじで!もうね、うんこ!」

 とか言っていた。

 ふたりで、てめぇこのやろう、とか、ダブリンのばかやろー、とか、うんこしてぇ!、とか

 どうでもいいことをいって、おおはしゃぎしながら、久々の日本料理に涙を流していた。

 *****

 翌日、もう一人、日本人が増えた。

 関西の大学生のこの人は、とにかくよくしゃべる人だった。

 なんと空港で預け荷物が全てなくなり、3日間着替えていないとのこと。

 ひげもぼさぼさで、めがねをかけて、帽子をかけていて、

 なんというか、つっこみどころ満載の人だった。

 荷物が見つかった時の連絡先を、このホステルにしているので

 動くに動けない、とのこと。

 その他にも、ここには書けない、おもろいことを色々体験してきていた。

 「ぶっちゃけ、吉田松陰みたいになりたいと思っておりまして松下村塾作りたいですわぁ。

  僕はいつも、『おまえは言葉は立派だが、体験が伴っていない』って言われるんすよぉ。

  それで、実際にやってみないと分からないなと思って、旅をしようと思いましてん。 」

 名をぐんじくんと言った。生粋の関西人。

 懐かしい言葉だった。

 3年ほど大阪にいた僕も、すぐに関西弁になった。

 その夜、ユーラシアを渡った人は、旅を一緒にした、ダブリン住まいのドイツ人に招かれ

 僕とぐんじくんで、めしを作った。

 にくじゃが。

 うまかった。

 コツがわかってきたので、日に日にうまくなっていく。

 また、自炊すると驚くほど安くつく。

 じゃがいもが1キロ1ユーロ。

 鶏肉手羽先が、結構おおきいやつひとつで0.20ユーロ。

 一食、多くて2ユーロぐらいで十分に食べれる。

 1日30ユーロで過ごすことは可能だということが分かった。

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